将軍池(松沢病院)〜烏山川遊水地〜希望丘公園
徳富蘆花「みみずのたはこと」に、「……八幡山、北沢間の田圃に往った。紫雲英(れんげそう)の花盛りである。」とあるので、地図を見ると、現在の松沢病院の広大な敷地が、そのレンゲ畑に当たるのではないかと考え、自転車で行って見た。
まず蘆花公園まで行き、北側の粕谷八幡宮の入り口にあったという蘆花の「別れの一本杉」を再度探したが、やはり見当たらない。
石造りの鳥居の脇に、ブリキの帽子を被った枯れた切り株があるので、もしかしたらこれかも? と思う。
「将軍池」は右に行って更に左折するのだが、道路から見える病院の敷地が、余りにも広大で樹々が繁っているので、赤堤通りを北へ向かってみた。
途中に歩道を少しだけ、病院の敷地に食い込ませた感じの小公園があり、「松沢けやき公園」と書かれていた。
赤堤通りが急に庶民的な雰囲気に変わったと思うと、京王線八幡山駅のガードが見えて来たので引き返す。
今度は赤堤通りを南に進み、長大な病院の敷地の外れを(東へ)左折し、しばらく行くと左側に「将軍池公園」があった。
かなり広い広場の背後に、フェンス越しに木立に囲まれた池が見える。
湧水池だということだが、水は赤茶色に濁っていた。
公園は、連休は過ぎたが入梅前の日曜日とあって、広場で遊び回る子供たちと、木製のベランダ状の休憩場で憩う大人たちで賑わっていた。
将軍池を後にして赤堤通りを戻り、日曜休館の「大宅壮一文庫」を確認して、赤堤通りから戻り道に入る。
蘆花公園の前の交差点で信号待ちをしている間に、南側へ入る紅白のシランが植えられた遊歩道をみつけ、思わず方向転換。
どう迷っても環八のすぐ脇だし、清掃工場の高い煙突(?)やガスタンクという目印もあるので、方向音痴も気が強くなっていた。
遊歩道が尽き、大きな建物の裏手のような所を進んで行くと、人口の小川に行き当たる。
簡単にまたげる程の狭い流れだが、気持ち良く水がほとばしって涼しげだ。
水路の所々に屋根付きのベンチがあって、水遊びする子供を眺める親御さんが休んでいる。
中央あたりに井戸のポンプも据えられている。
水路の突き当たりは、小さな池になっていて、流れ落ちる水を「うたせ」にして遊ぶ子供たち。
水はそこから暗渠に入るらしい。
(ここまでの遊歩道・水路をあとで調べたところ、烏山川沿いの遊歩道・遊水地らしい。)
地下をくぐって向こう側に出ると、かなり広い公園。ここも後で調べると「希望丘公園」とのこと。
公園全体が赤レンガで統一され、中央の広場の池・滝(?)も、周囲を巡る道を繋ぐ橋も、時計塔もレンガで作られている。
ここも流れる水があるので、夏の散歩向きかも知れない。
希望丘公園を出て、環八がありそうな方へ自転車を走らせ、何とか環八に出ることは出たが、道路を横断出来ない。
徒歩でしか渡れない歩道橋はあるが、自転車はずっと離れた蘆花公園の北東角の交差点まで戻らないと渡れない。
結局、脇道に逸れる前と同じ交差点まで、環八を戻ることになった。
蘆花公園の東北隅のベンチで一休みする。
ベンチに腰を下ろして初めて気づいたが、ここは2010年5月に初めて蘆花公園に来た時に座って、写真を撮った場所だった。