富士見小路・庚申塔
天気が回復したので、午後、久し振りに近所へ散歩に出る。
すっかり散歩離れしている夫も、渋々一緒に家を出た。
徒歩でまず、成城通り沿いの養蜂箱のあるバラ畑のバラの花を見に行く。
今日は畑で作業する人も見えず、入口も閉まっていたので、ぐるりと一周してフェンス越しにばらを眺める。
台木にするためか、幾株か植えられているノイバラの花が、私には美しく見えた。
祖師谷公園に向かい、お気に入りの隅の宿根草の花壇へ。
一斉に咲いた花々をながめているうちに、夫は疲れたと言って家に戻る。
時間はまだ早いので、私だけ公園を出て、安穏寺坂を上る。
坂の途中、安穏寺の門前辺りの向かい側の、南に入る小道の角に「富士見小路」と掘られた石柱がある。
今迄、何度も通っていた道なのに気づかなかった。
もちろん現在では、この小道から富士山は見えないが、この石柱が立てられたのは案外新しく、昭和38年だそうだ。
安穏寺坂を上り切り、榎交差点を北に向かう右側の狭い方の道(六郷田無道)をしばらく歩いて行くと、住宅の外壁の一角に「庚申塔」があった。
石塔の下部に彫られているのは「見猿、聞か猿、言わ猿」の三猿の像だそうだ。
説明書きによると、文化9年(1812)の建立だとのこと。
そこから適当に上祖師谷を歩き回っていると「吉実園」という豪農か造園業かの植木畑のある一画に行き当たる。
「吉実園」と彫られた石碑の向かいには、フェンスの中にぎゅう詰めの鶏小屋が見え、小屋の外を2羽の醜いニワトリが歩き回っている。
先生に引率された保育園か幼稚園の園児たちが、フェンス越しに醜いニワトリを眺めていた。
ケンカでむしられたのか、ニワトリには尾羽がなく、ただれた肛門が剥き出している。
あまり子供たちに見せたくない姿だと思った。
羽衣ジャスミンやテイカカズラで、見事に覆われた家などを眺めながら、上祖師谷を後にして祖師谷公園に戻る。
公園の中央道の西側のハーブ畑と、中央道沿いのポピーなどを眺めて帰宅。
花の写真をたくさん撮ったが、大部分はゴミ画像だった。