喜多見不動堂から成城4丁目緑地へ
成城の国分寺崖線の坂道巡りをした時に、「喜多見不動堂」という名前から、喜多見=野川の向こう、という思い込みで、不動堂へ寄らずに帰ってきてしまった。
後で調べると不動堂の住所は成城4丁目で、野川の手前にある。
そこで今日は、喜多見不動堂と先日、時刻が遅くなって通れなかった、成城4丁目の十一山緑地を目標に、渋る夫と一緒に自転車で出かけた。
静かな住宅街を縫って、不動坂の上のミニ公園まで一走り。不動坂はかなりの急勾配なので自転車はここに置かせてもらい、徒歩で坂を下る。
不動坂は車も通る普通の道路で、坂を下り切ると左手に不動堂があった。
入るとすぐ目の前が小さな池(滝壺)で、3筋の水が流れ落ちている。不動の滝なのだろう。
池の左手の少し小高い所に、堂守の方の住居らしい建物があり、玄関の前に立派な白い鶏の置物があると思ったら、やおら鶏が動き出した。生きたニワトリが、放し飼いにしてあるらしい。
もっとよくニワトリを見たかったが、運動部の中学生らしい男子が数名、狭い境内の急な石段を利用して訓練しているのを、石段下の屋根付きベンチに寝そべった監督らしいオジサンが指揮していたので、そちらに気を取られているうちに、ニワトリはどこかへ行ってしまった。
石段を上ると、広くはないが落ち着いた境内に本堂があり、脇にお稲荷さんや洞窟奥の小祠や、石仏の祠などがある。
しばらくすると監督の命令か、少年たちの姿は消えて急にシンと静まり返った。
何となく居心地のいい境内で、ベンチに腰掛けて ボンヤリしていると、小田急線の電車の音に驚かされた。
不動堂を出て、国分寺崖線の裾に沿った道を少し行くと、右手に「みつ池」が見えた。
厳重に保護された湧水池なので、年に数回、指定された日に、申し込まないと見学できないらしいが、フェンス越しに写真を撮って大満足。
以前来た時は、崖上の緑地の管理者らしい男性から、みつ池の話を聞いただけだったので、見ることができただけでも満足なのだ。
更に崖下道を進んで行くと、左手に「きしべの路・水路出入口」という看板と小道が分かれていたが、次回に譲って先に進む。
突然、右手の崖下に、ピンクの薔薇の花に埋め尽くされた、黄色いレンガ造りの洋館が現れ、その横に「十一山市民緑地」の看板と、崖を上る急な坂道がある。
「この道は行き止まりです」と書いてあるが、上ってみなければ気が済まない。
急な崖道を上り始めると、下って来た西洋人の中年カップルとすれ違って黙礼を交わす。
林の中の急な崖道を、とにかく行ける所まで上って引き返した。
別に珍しい植物もなく、上っても林の木々が邪魔して、開けた景色も見られなかったが、上らずに帰ると後悔しそうなので・・・
連休などの登山の高齢遭難者も、案外こんな理由で無理をしてしまうのかも、などと思う。
十一山を下り、更に崖下道を行くと「発明の杜・市民緑地」、その少し先に「成城4丁目緑地」の上り口が現れる。
以前、2010年頃に「成城4丁目緑地」を通って野川を渡り、「喜多見ふれあい広場」に行ったことがあった。
その頃は細い土の上り道だったが、きれいに整備されてコンクリート道になっていた。
歩きやすくなった反面、以前のように「ヒトリシズカ」に巡り会える期待は失せ、足にも優しくない。
そこで上りかけた道を引き返して、「発明の杜」の小道を上り直す。
こちらの小道はまだ土のまま。
上って行くと小道の脇の邸宅の池が見えた。
地図に見えた池はこれだろうか? と佇んで眺めていると、先ほど十一山ですれ違った西洋人の中年ご夫婦が下って来た。
奥さんは日本語が上手で、しばらく立ち話をしていて、うっかり池の写真を撮り損なう。
「発明の杜」の門から、国分寺崖線の上の道に出て、みつ池上の緑地のベンチで一休み、自転車を置いたミニ公園まで戻る。