蘆花恒春園
夫は疲れが取れないと言うので、一人で散歩に出かけた。
数年前(2010年)に一度だけ行って、その後は行く機会がなかった「蘆花恒春園」のビデオを昨夜見たが、以前、私達が見たのは蘆花公園のほんの一部だったと気づいた。
(蘆花旧邸・憧れの竹林)
ビデオにはまず資料館が撮され、次いでまるで金庸の「笑傲江湖」の竹林のシーンのような風景になり、蘆花の旧宅の内部が紹介されている。
先日見学した成城の「猪俣邸」とは違って、本物の古い住宅だ。
何とか見に行きたいと、昨夜から考えていた。
蘆花公園までは片道2キロ程なので、道に迷わない限り徒歩で行ける距離なのだが、普通に行って帰る分には迷う恐れはない。
という訳で、午後2:30頃、意気揚々と出発した。
行きは車の通る道を順当に歩いて行った。
途中の街路樹が、植えられて間のない人の背丈ほどのライラックで、白い花が咲いていた。
育ったらさぞ見事だろう。
蘆花公園の南口から入ると、左側が一段高くなっていて、大きな花壇を中心にした明るい広場。
右側はすぐ横を走る環八に沿って、巨木の林が奥へ続いている。
左右の部分が合わさった森林を更に奥へ進むと、かなり大きめの墓地がある。
墓地の入り口に六地蔵と、観音像の石碑、少し奥に観音様の立像も見える。
墓地を通り越すと、蘆花夫妻のお墓が墓地の横にあった。
お墓の向いの入り口から入り、母屋から上がってスリッパに履き替えて、渡り廊下で繋がった各部屋べやを自由に見学できる。
日本最古級だというオルガンや、格調高いデスク、古風なベッドなどの洋風の家具も展示されている。
昔の住宅だからなのか、廊下などは非常に狭く、古びているので乱暴に歩いたら、床を踏み抜きそうだ。
しかし廊下の硝子戸越しに見える森林の緑が美しい。
ここには作られた庭園はなく、武蔵野の森林がそのまま庭の眺めになっている。
巨木に囲まれている割りには陰気臭くないのは、周囲が広々としているからだろう。
家の周囲に、お地蔵さまと青竹で蓋をした井戸、枯葉などを入れておくらしい木の箱状の物などがあった。
令狐冲の竹林も手入れが行き届いて美しい。
資料館の見学は次回に譲って帰ることにしたが、案の定、道に迷って散々歩き回ることになった。
自転車で行く場合を想定して、静かで安全な裏道を探そうと思ったのが運の尽きだった。
途中、去年の初冬にインフルエンザの予防接種に来た「はなクリニック」の先に、畑・竹藪・屋敷森などのある風景を発見。
その近くには「廻沢稲荷神社」という神社もあった。
迷ってあちこちの児童公園で休みながら、ふと気づくと来たことのある「パンダ公園」にたどり着いた。
「パンダ公園」は真紅のハナモモの花が満開で見事だった。「パンダ公園」の時計はPM4:55。
ようやく家に帰り着いたのは、PM5:00を回っていた。